



「君、一緒についてきてくれないか?」
男が僕にこう言ったので、とくに行き先も無かった僕はその男についていくことにした。
「とりあえず、西陣の方へ向かおう」
一緒に歩きながら、彼と話をした。
まず、彼は藤原道長と名乗った。
そして、楽しく生活を送っていたら、嫉妬するやつらが現れたのだそうだ。
彼はえらく真剣に話をし、嘘をついているようには思えなかった。
相変わらず道行く人の服装は現代にそぐわない。
僕は本当に平安時代に来てしまったのかもしれない、と感じていた。
「でさ、俺、その嫉妬した奴らに処刑されそうになったから、処刑場から逃げてきたのさ」
そんなことを話している間に目的地に近づいてきた。
すると突然、道長が立ち止まった。
「あの人、俺を探してるやつの手下かも…。どこかに隠れないと。
あ、あそこに大きなつづらが!!」
彼の指さす先には大きなつづらがあり、つづらの蓋には変な絵が描かれていた。
どうやら、この絵の謎を解かないとつづらは開かないらしい。
急いで解かないと…。













